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<自動思考④>

こんにちは。心理士の井上です。

 同じ出来事に対して、人それぞれ受け止め方が異なります。そして、そこには“自動思考”という考え方のクセのようなものがあることを紹介しました。

 これまで、その自動思考の中で、“全か無か的思考”と“過度の一般化”について紹介させていただきました。

 今回はさらに別の自動思考を紹介させていただきます。

 今日紹介するのは“選択的抽出化”というものです。

 全体の中のある1点だけに注意が向かい、その他の側面を無視する自動思考を“選択的抽出化”と言います。

 気分が落ち込んでいると、自分の悪い面だけに注意が向かってしまう悲観的な選択的抽出化となりがちです。

  「仕事でミスをしてしまった。辞めさせられるだろう。」

 極端な例ではありますが、それまでどんなに成果をあげていたとしても、注目しているのが目の前のミスだけになってしまって、最悪に事態に考えが向かってしまいます。

  「人から注意された。僕はダメな人間だ。」

 自分にとってのマイナスな体験が、あたかも自分の本質であるかのように自分にレッテルを貼ってしまいます。

 特別なメガネをかけて、世の中や自分のポジティブなことや明かることを見えなくしてしまうようなものですね。

 そのメガネをかけたままだと、意識に上がってくることはネガティブなことばかりになります。そしてこのようなフィルターがかかっていることに気づかないと、世の中全体が暗闇のように感じられるかもしれません。

 このような思考から抜け出すにはどうすればいいでしょうか。

 特別なメガネ(フィルター)をかけていないか検証することが必要です。

 その出来事に対する他の見方はないだろうか、と思いを巡らせてみるのです。
 
 もしかしたら、そのミスは、仕事のシステムの中に問題点を見つけ出すヒントになっているかもしれません。

 もしかしたら、注意した人はあなたに期待をして言ってくれたのかもしれません。

 同じ出来事の捉え方は多面的です。

 ここで注意してほしいことは、他の見方を探すというのは、選択的抽出によるネガティブな思考を否定するということではないことです。

 ネガティブな見方も、出来事の理解の仕方(思考)の一つです。

 それを否定せず、別の方向から光を当てると、どんな考え方があるかを探してみるイメージです。

 新たな見方を見つけることができると、気持ちが少し楽になるかもしれません。

 ネガティブと思われる出来事に出会ったら、一度考えてみてくださいね。

 過ごしやすい気候になりましたが、朝夕はまだ寒い日もあります。どうぞお体にはご自愛ください。
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【 2018/04/07 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<自動思考③>

こんにちは。心理士の井上です。

人はそれぞれ考え方にクセを持っていて、そのクセによっては不安になったり、鬱状態
になったりすることがあるということでした。

また、その考え方の1つに“全か無か的思考”があることをお話しさせていただきました。
今日はさらに、他の考え方のクセ(思考パターン)を紹介させていただきます。

今日紹介するのは“過度の一般化”というものです。

毎日の生活の中で人は、1度や2度失敗することがあります。また、悪い出来事が起こる
こともあります。

“過度の一般化”とは、そのような体験を、常に起きることだと思ってしまう思考パター
ンのことをいいます。

例えば、友達に少し注意されただけで、その友達は自分のことをダメな人間だと思って
いる、と思い込むことがあるかもしれません。
数回、試験で低い点数をとっただけで、自分は人よりできが悪いと思い込んでしまうこ
とがあるかもしれません。

このように嫌なことが一度(数回)起こると、それが今後も同じように繰り返し起こる
と感じたり、すべてがそうだ、と思い込んでしまうことを“過度の一般化”と言います。

“過度の一般化”でよく使われる言葉は、「いつも」「みんな」「絶対」などです。
「私はいつも失敗ばかりしている。」
「みんな私を嫌っている。」
「絶対失敗する。」
このように言ってしまうと、本当はできる力があるのに、できずに終わってしまったり
、人間関係がうまくいかなくなったりするかもしれません。

 「いつも」「絶対」「みんな」という言葉が思考の中にあるときは、“過度の一般化”思
考に陥っているかもしれませんね。

 このような思考から抜け出すにはどうすればいいでしょうか。
 まず、起こった事実を正確に把握するとよいと思います。事実のみを書き出してみると
、冷静に考えることができるでしょう。
 また、本当にそうなのか、例外(反証)はないかと、自分の考えが本当に正しいのか検
証してみることもよいと思います。

 習慣化した思考パターンを改善することは難しいですが、こうすることで自分の考え方
のクセに気がつくことができ、これを繰り返すことで思考のクセを改善することが可能で
す。

朝夕と昼の気温に差があり体調を崩しやすいですが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2018/03/13 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<自動思考②>

こんにちは。心理士の井上です。

前回〈自動思考〉についてお話しさせていただきました。

人はそれぞれ考え方にクセを持っていて、そのクセによっては不安になったり、鬱状態になったりすることがあるということでしたね。

今日はその考え方のクセ(思考パターン)の1つについてお話ししたいと思います。


考え方のクセの1つに“全か無か的思考”(2分割思考)というものがあります。

良いか悪いか、完全か不完全か、〇か×か…など、二者択一的な捉え方です。


例えば、仕事の同僚や友人と話をしている場面を思い浮かべてください。そのときに相手の方が少し不機嫌だったとします。そうすると、「自分のことが嫌いなんだ」と思ってしまう人がいるかもしれません。

他にも例えば、テストを受けて80点を取ったとしましょう。100点でなければだめだという思考が強いと、せっかく80点取れているのに、0点を取った気分になってしまう人がいるかもしれません。
 
 
二つの例で示した思考パターンが、“全か無か的思考”です。

全か無か的思考の下では完璧が求められます。言いかえれば、完璧でないことはすべて失敗ということになってしまいます。
 
結果が完璧である場合は問題ないですが、現実的にすべてのことが完璧にいくことはほとんどないです。

そして、完璧でなかった自分はダメな人間だと思ったり、今まで努力してきたことはすべて無駄だったと思ったりするかもしれません。

こう考えると、とても辛い考え方のクセに思えますね。

しかし、すべてがマイナスではありません。

この思考が強いと、学業や仕事などで質の高い結果を出すことが多いかもしれません。その結果、周囲の信頼を得て、自信につながることも多いと思います。

ただ、全か無か的思考が自分を追い詰めているときがあるかもしれません。そんなときは、それに気づいてゆるめるようにコントールできればよいと思います。

まずは、自分の思考に気づくことが大切です。

私たちは、日常生活の中ではまさに“自動”的に考えてしまうので、意識しないと考え方が偏っていると気づけません。

ストレスを感じたときに「いつも~である」「絶対に~である」「決して~ない」と考えていないかチェックしてみましょう。

そして、全か無か思考に気づいたら、その考え方を少し緩めるために、“一方(or)ではなく両面を認める(and)”考え方をしてみましょう。

「成功か失敗か」(or)ではなくて、「成功もあれば、失敗もある」(and)と考えてみるのです。

「できるかできないか」(or)ではなく「できるときも、できないときもある。」(and)

こう考えていくと、全か無かと断定的にならず、ゆったりと考えられると思います。



まだまだ寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2018/02/10 】 未分類 | TB(0) | CM(2)

〈考え方のクセがもたらす鬱や不安とその改善策〉

こんにちは。心理士の井上です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。


今日からしばらくは、考え方のクセがもたらす鬱や不安とその改善策について考えてみたいと思います。

私たちは、しばしば何かの出来事の後に鬱や不安を経験することがあります。

そのとき私たちは、その出来事そのものが私たちの心に影響を与えていると考えることが多いと思います。

しかし、実際私たちの心に働きかけているのは、出来事そのものではなく、私たちがその出来事をどのように受け止めているかという、思考パターンによって引き起こされています。


例えば、仕事が思うようにうまくいかなかったら、落ち込んだり、悲しくなったりすると思います。

これを普通に考えると、“仕事がうまくいかなかった”という出来事によって、“落ち込みや悲しみ”などの感情が生まれたとなります。

しかし、実際には“仕事がうまくいかなかった”=“落ち込みや悲しみ”ではありません。

その間には、例えば、「あんなに準備したのに、どんなに頑張ってもできない」と思ったかもしれません。

「どうせ私には能力がないんだ」と思ったかもしれません。

その結果、“落胆する”という感情とつながっていることになります。

また、「どうしよう、上司に叱られる!」などと思うかもしれません。

この場合、“不安”という感情とつながっていることになります。

これらのようなある出来事に対して自動的に生まれてくる思考は、“自動思考”と呼ばれます。

つまり、 〈出来事〉 → 〈思考〉 → 〈感情〉 のように、出来事と感情の間には“自動思考”が存在します。

また、この“自動思考”には個人差があり、その違いによって同じ出来事であっても、そのときもつ感情は人によってことなります。

認知行動療法では、この“自動思考”に注目します。


先の例においても、上記のように落ち込んだり、悲しくなったり、不安になる人もいますが、「今回は失敗したけど、今まではうまくいっていたから」と考えて、それほお落ち込まない人もいるかもしれません。

とくに強い不安や鬱状態をたくさん体験してしまう場合、そこには“不適応的な自動思考”(偏った考え方のクセ)があるかもしれません。

それを“より現実的で、建設的な思考”に置き換えることで、落ち込みすぎないでよかったり、呑み込まれてしまうような不安を回避できたりするかもしれません。

そのためには、まず自分自身の自動思考のパターンを知っておいて、自覚することで極端な感情を緩和できると思われます。

次回は、“偏った考え方のクセ”の具体例を交えて紹介させていただきます。


毎日寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2018/01/13 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<落ち込むことは本当にいけないこと?>


こんにちは。心理士の井上です。

今回は“落ち込むこと”について考えてみたいと思います。

“落ち込む”と聞くと、それ自体よくないものとして語られることが多いです。

特に最近は“うつ病”という言葉が知られるようになり、“落ち込むこと”と近いイメージで定着しているように思われます。


しかし、“落ち込むこと”は、本当にネガティブなことなのでしょうか。

確かに“落ち込むこと”はつらいことでもあり、できる限り体験しないほうがいいことかもしれません。

物事がなんの問題もなく、順調に進んでいるとき、“落ち込む”必要はありませんよね。


しかし、何か大きな失敗をしたときや、衝撃的な出来事に出会ってしまったときはどうでしょう。

私たちは当然“落ち込む”でしょう。

この“落ち込むこと”は予想外のネガティブな現実を受け止めるためにはどうしても起きてしまうことです。

また、“落ち込むこと”によって、私たちは“困り”を感じて、問題にどう対処したらよいか考えることになります。


“落ち込む”ような失敗や出来事があるのに“気にしないで前向きに”なることは、実は現実逃避になることもあるかもしれません。


このように考えてみると、私たちには必要な“落ち込み”が存在し、だからこそ解決策を探して、少しでも改善できるような方向に向かうことができたり、周りの人に手助けを求めたりすることができると言えるかもしれません。


先にも述べましたが、“落ち込むこと”とうつ病は近いイメージで語られることが多いと思います。

私たちは失敗や起きた現実への心配から“落ち込み”、気分がわかない、力が湧かないなどの状態になるかもしれません。これを“抑うつ状態”といいます。


しかし、これは“うつ病”とは異なります。

“うつ病”は現実的な問題がきっかけではありますが、その問題が解決されても継続している状態をさします。

このことから“落ち込むこと”と“うつ病”は同じものではないことがみえてくると思います。


“落ち込むこと”は、“いけないことではないこと”と頭の中に置いておくことで、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。


毎日寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/12/17 】 未分類 | TB(0) | CM(0)