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<アンガーマネージメント②>

こんにちは。心理士の井上です。

前回はそもそも怒りに対するマイナスなイメージを持たれている方が多いかもしれないというお話をさせていただきました。また、怒りにいくつかの種類があることもお話させていただきました。


今日はそもそも“怒り”とは何かを考えてみようと思います。

誰でも“怒り”を感じたことがあると思います。

これは突然湧き上がってくる感情だと思われがちですが、心理学では“怒り”は二次感情であると言われています。

つまり“怒り”の前に一次感情という別の感情が存在しているとなります。


では、一次感情とはどんな感情でしょうか。

例えば「わかってもらえない」ことからくる苛立ちや不安。

   「助けてくれない」という恐怖や悲しさ。

   「だいじにしてもらえない」という寂しさや悲しさ。

これらが一次感情であり、“怒り”の裏側にはこのような感情が隠れていることになります。


ずいぶん前ですが、学校ですぐにキレてしまい物を壊したり、人を傷つけたりしてしまう子と話す機会がありました。

その子と感情の整理(例えば、悲しいときはどんなとき?など)をしたところ、悲しいときと怒っているときに思い出す出来事が同じだったことがありました。

この子は怒りの背景に「僕のことをわかってくれなくて悲しい」という気持ちが隠れていたことがわかりました。

この子とはその後悲しい感情を一緒に話し合うことを続け、気持ちを整理することができるようになりました。


このように“怒り”の背景には何かしらの一次感情が隠れているんですね。


ただ、“怒り”という感情はとても強烈で衝動的でもあるため、その背景にある感情を探るのは難しいです。

そこで“怒り”の特性を知っていると、隠れている一次感情がわかるかもしれません。


その特性の一つに怒りの持続時間があります。一般的に怒りのピークは6秒と言われています。

そのため、この6秒間怒りを抑えることができれば、怒りに任せた衝動的な行動を押さえることが可能ということになります。

“怒り”を感じたらまず6秒耐えることが大切なことの一つであると言えそうです。

そうすると、“怒り”の背景にある一次感情が見えてくるかもしれません。


次回もまた、アンガーマネージメントについてお話させていただきます。



いよいよ冬らしくなってまいりました。どうかお体にはご自愛ください。
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【 2018/12/15 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<アンガーマネージメント①>

こんにちは。心理士の井上です。


今日からしばらくアンガーマネージメントについてお話させていただきたいと思います。


アンガーマネージメントとは、“怒り”という感情のコントロールする方法のことを言いま
す。



アンガーマネージメントのお話をする前にそもそも“怒り”とはどんなものでしょうか。


一言で“怒り”といっても、考えてみるといろいろな種類の“怒り”がありますよね。


例えば、とにかく短気で怒りっぽい人もいれば、普段は短期ではないけれど、特定の場面
や人物に対してのみ激しい怒りが湧いてしまう人もいるかもしれません。


また、「それは怒ってもしかたない」と誰もが思える、いわば正当性のある怒りもあれば
、自分より不利な立場にいる人に対して別の原因からくる怒りをぶつけてしまう八つ当た
りのような不適切と言えるものもあります。



様々な“怒り”がありますが、特に適切な怒りというのは、人が社会の中で生き抜いていく
ためになくてはならない感情であると言えます。



しかしながら、“怒り”という感情に対して、特に日本ではマイナスのイメージがあります


私自身幼少の頃から親や学校の先生から、「怒ってはいけない。やさしい人になりなさい
。」というメッセージをたくさん受け取りました。


そんな中で、我々は“怒ることはいけないこと”“怒りという感情は持ってはいけないもの”と
認識しているのかもしれません。


先日、怒りを抑えることが難しいという方とお話する機会がありました。そこで、怒るこ
とに対してどんなイメージがあるかを聞かせてもらうと、「怒ることはダメなこと」と認
識しておられました。



しかし、本当に怒ることはダメなことなのでしょうか。



適切で正当性のある怒りは、とても大切な感情です。それをうまく表現できない結果、苦
しんでいる方も多くおられます。


自然な感情である“怒り”を抑えつけるのではなく、きちんと感じて、適切な形で表現する
ことがとても大切なことだと思います。



朝夕は肌寒くなってまいりました。どうかお体にはご自愛ください。
【 2018/11/17 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<つながるための前頭葉>

こんにちは。心理士の井上です。


前回、前々回と脳神経科学的な観点から、感情の生起やそれをコントロールする大脳新皮質、記憶をつかさどる海馬についてお話させていただきました。

今回は人(霊長類)に特徴的な大脳新皮質に関する仮説を紹介させていただきます。

体の重さと脳の重さの比率を考えると、人は他の動物と比べてとても大きな脳を持っています。

また、脳は人の体重の2%にすぎないのに、消費エネルギーは全体の20%も使っていると言われます。


なぜ人(霊長類)の脳は大きな脳を持つ必要があったのでしょうか。

その問いに対する仮説がマキャベリ仮説(社会脳仮説)と呼ばれています。


この仮説では、人(霊長類)は、集団で生活するだけでなく、親子関係などの社会的関係が強く、集団内での競争や協力も生じ、社会が複雑化していく中で、脳が爆発的に進化したのではないかという仮説です。


さらに、MRIなどの精密医療機器の発達により、そのことが証明されつつあるようです。

特に大脳新皮質には、他者とつながりたいという社会的な欲求や他者の心の情動を想像する機能があることがわかってきました。

また、その関わりあいの結果、他者からの評価や肯定や共感によって「生きる意欲」が湧き、それはさらなる脳の進化につながるそうです。


社会の中で人が他の人とコミュニケーションをとりながら生活していくことは、脳科学的にも必要なことだということになりそうです。

人とのつながりを欲するのは脳にとっては必然なのですね。


朝夕は肌寒くなってまいりました。どうかお体にはご自愛ください。
【 2018/10/21 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<記憶をつかさどる海馬>

こんにちは。心理士の井上です。


 前回は情動コントロールについてお話しさせていただきました。

 脳内の中心部に位置する原始的な部位である“偏桃体”が、感情をつかさどっていて、額のあたりにある“前頭葉”が、その感情をコントロールする役割を担っていました。

 偏桃体は哺乳類にとって、生きるための感情を生み出している、とても大切な部位と言えます。

 その偏桃体の近くに“海馬”という、記憶をつかさどる部位があります。

 今回は、この“海馬”についてお話しさせていただきます。


両手で耳をふさいだ時、手のひらにあたる部分が側頭葉です。そしてその奥に位置するタツノオトシゴのような形のものが海馬です。

 普段経験する出来事や、様々な情報は“海馬”で10秒~20秒ほど保管されます。これを“短期記憶”といいます。

 その中で、今後も必要であると海馬が判断した情報を、脳のいろいろな場所に移し、長期保存します。自分の誕生日や家族や友達の名前、自転車の乗り方などのことで、この記憶を“長期記憶”といいます。

必要なときに、保存された長期記憶を呼び出す働きの中心も海馬です。つまり、何かを“思い出す”ときにも海馬を使っているということになります。


この海馬に支障をきたすと、とても深刻な状態になることもあります。

例えば、認知症の一つであるアルツハイマー型認知症では、海馬の萎縮が一つの原因であるとも言われています。

海馬の萎縮は、“思い出す”ことを中心に様々な認知機能の低下につながります。

海馬がとても重要な働きをすてきれていることがわかります。


この海馬ですが、人の体の中でもとても特殊な場所でもあります。

脳が形成されるのは12歳くらいまでというのが一般的です。実際脳医学の世界でも、脳の神経細胞は加齢とともに減っていき、新しく生まれることはないと思われていました。

しかし、この海馬だけは何歳になっても、神経細胞が新しく生まれ(神経新生)、その体積を増やすことができることがわかったのです。

 また、ラットを使った研究では、回し車を使って運動する機会を増やすと、海馬の神経新生が促進されるという結果が得られたそうです。

 つまり、身体を動かすことによって、海馬が活性化されるということになります。

 適度な運動は、脳科学的には記憶力の低下を予防するのに役立つということなのですね。


少しずつ過ごしやすくなってきましたが、お体にはご自愛ください。
【 2018/09/24 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<情動コントロール>

こんにちは。心理士の井上です。

 前回は情動コントロールについて、脳科学の観点からお話しさせていただきました。

 悲しみ、嫌悪、怒り、喜び、恐れ、驚き、などの情動は、人間らしい生活を送るのに必要なもので、脳内の原始的な部位である“偏桃体”がつかさどっています。

 そして、額のあたりにある“前頭葉”が、その感情をコントロールする役割を担っていました。

 偏桃体で湧き上がる感情を、前頭葉が場に適切かどうかを評価して、コントロールしていることになります。

 思わず笑みがこぼえれそうな喜びの感情が湧きあがってきても、その場が笑ってはいけない状況であれば、笑わないようにするでしょうし、強い怒りの感情が起こっても、それをそのままどこでもだしてしまうようなことはしないと思います。


これらが何らかの形で障害されるとどうなるかは予測できると思います。

前頭葉に障害が起きてしまうと、情動のコントロールそのものが難しくなってしまい、抑制ができず、暴力的になってしまうことがあるかもしれません。

偏桃体に障害が起きると、恐怖を感じなくなってしまい、一般的に危険だと思われることを平気でしてしまったり、喜びや楽しさも感じなくなってしまうことがあるかもしれません。


また、前頭葉や偏桃体に障害が起きていなくても、前頭葉と偏桃体との情報のやり取りが阻害されることも起こりえます。

前頭葉とと偏桃体の情報のやり取りというのは、別の言い方をすると“心の葛藤”であると言えます。

「~したいけれど、してはいけない」

「~したくないけれど、しなくてはいけない」

これらは、「~したい(したくない)」という情動を持ちながら、それを「してはいけない(しなくてはいけない)」と調整していることになります。

前頭葉と偏桃体の情報のやり取りが阻害されるということは、この心の葛藤がしにくくなります。

多くの場合、情動はないものとされてしまい、理性的な前頭葉の働きが前面に出てきてしまいます。

そうなると、ないものとされた情動が予想できないタイミングで爆発するような現象(いわゆるキレる)ことが起こるかもしれません。

葛藤するということは、情動コントロールという観点からもとても大切なことということになりますね。


毎日本当に暑い日が続いておりますが、お体にはご自愛ください。
【 2018/08/25 】 未分類 | TB(0) | CM(0)


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