こんにちは。心理の亀山です

若葉の緑色がまぶしく、目に鮮やかですね

気持ちのいい日が続きますね。
世の中には色々な性格テスト、星座占い、血液型占いがあふれています。多くの人にとって、自分や他者の性格に関する話題は興味を引くものでしょう。もちろん、心理学の分野でも、古くから研究されてきました

私たちが性格について気にしているのは、おそらく、その情報が役立つと思うからでしょう

性格を知ることで、自分や他者の行動の理由や原因を理解でき、今後の行動を予測できると考えているのかもしれません。
人は自分自身や周りで起きている出来事について、常に原因や説明を求める傾向にあります。原因を求めることは、人が自分の暮らしている環境に適応し、行動を選択していく上で大切なことです。原因が説明できれば安心しますし、適切な選択も可能です。
さて、私たちが性格を知ることで人の行動の原因や予測が可能になると考える根拠は何でしょうか。実は、大きく分けて2つの重要な根拠があると言われています

第一は、人の性格は時間が経過しても大きく変わらないという
「性格の経時的安定性」です。職場の同僚が怖く意地悪な性格である場合、その同僚が明日から急に意地悪でなくなったり、一か月前は意地悪でなかったりということは、普通はありません

もちろん、気分や体調によって、いつもは意地悪な人が今日は機嫌が良くて親切だなということもありますが、しばらくして気分が元に戻れば、いつもの意地悪な態度をとるでしょう。また、何年も色々な経験をすれば性格はだんだんと変わっていくでしょうが、それには多くの時間がかかります。したがって、人の性格は、ある程度長い期間にわたって、あまり変わらずに持続すると考えられています

第二は、人の性格は状況や場面が変わっても大きく変化することはないという
「性格の通状況的一貫性」です。性格の現れ方は場面や状況の影響を受けますから、多少はその影響を受けて変わると思われます。しかし、場面や状況によってコロコロを性格が変わってしまうことは一般的には考えられません

友だちとよく話し明るい人は、場面が変わって暗い雰囲気になりそうな時でも、むしろ周りを元気づけようと振る舞うかもしれません。
「性格の経時的安定性」と「性格の通状況的一貫性」の2つは、私たちが性格を知ることで人の行動を理解したり、予測したりできると考える根拠になっています。もし人の性格が時間や場面によってコロコロと変わってしまうようなものだったら、今の性格を知ったところで、昨日の行動の理由や原因を理解することはできませんし、行動を予測することもできないでしょう

次回も性格の話題を続けたいと思います。では、過ごしやすい季節となりましたが、どうかお健やかにお過ごしください
引用文献・参考文献渡邊芳之 (2005). 「モード性格」論―心理学のかしこい使い方― 紀伊國屋書店
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