こんにちは


心理の亀山です。
とうとう梅雨入りしましたね

さて、性格について考えるとき、思い浮かぶことの一つに、「血液型診断」というものがあります

私は、子どもの頃によく雑誌で読んだ記憶があります

皆さんの中にも、血液型による性格傾向や友達との相性を占ったことがある方もいると思います。
「血液型診断」とは、性格はその人の血液型から判断できるという考え方ですね。一般的に、日本で広まっている血液型診断では、A型の人は几帳面、B型の人はマイペース、O型の人はおおらか、AB型の人は個性的、などという記述がなされています

この「血液型診断」は、マスコミなどを通じて広く浸透しています。また、最近では、この考え方には科学的根拠が認められず、「血液型診断」によって人の性格は測れないことも知られるようになりました


もともと、血液型と性格を結びつけたのは、日本の心理学者、古川竹二でした

特に1930年代には著書も出版され、大変な注目を受けたそうです。しかし、古川の学説は、専門家からは支持されませんでした。
その後も、科学的根拠がないまま、「血液型診断」は存続し続けました

日本のこの「血液型診断」はアジアの国々にも輸出され、特に韓国や台湾ではブームになっています。一方、ヨーロッパやアメリカでは、日本の様に定着していないそうです。
「血液型診断」が東洋の国で流行するのは、東洋の国にある独特な考え方が影響しているようです

“血は水よりも濃い”、血縁、血脈、血統という言葉に表れているような、先祖や親から引き継いだ生まれつきの遺伝を重視する考え方です

しかし、「血液型診断」には科学的根拠は認められていません

当たるように思えたりしても、それは錯覚だと考えられます。そのため、
血液型によって人のイメージを決めつけたり、自分の得意・不得意を思い込むことは、とてももったいないことです。
実は、血液型で人を差別することを「ブラットタイプ・ハラスメント」と言い、時おり問題になっています。情報には慎重に接したいですね

では、じめじめとした日が続きますが、お身体を大事にお過ごしください


引用文献・参考文献
渡邊芳之 (2005). 「モード性格」論―心理学のかしこい使い方― 紀伊國屋書店