こんにちは


心理の亀山です。
先日は初雪を見ました。いよいよ冬も本番のようです

落ち込む気持ち③では、認知、特に気持ちを沈み込ませる考えやイメージの内容と現実とのずれに注目し、客観的に考えていくことが大切であるとお話ししました

ところで、気持ちを沈み込ませる考えやイメージというのは、どのような特徴があるのでしょうか
1. 抽象的でおおざっぱ抑うつ状態にある人は、「怖い」「憂うつだ」「どうしようもない」といった大ざっぱな言葉で、自分の置かれている状況や気持ちを感じていることが多いのです

そうすると、それに対する具体的な対応策が見つからないまま、憂うつな気持ちが強まっていくことになります
2. 絶対的・道徳的辛い気持ちを体験している人の考えには、「絶対」「本当に」といった言葉が随所にみられます。「…でなくてはならない」「…であってはいけない」「…しないといけなかったのに」といった断定的で、決めつけるような表現もみられます


心の中で、何でも完全に出来ないといけないと考えがちで、その通りに行動できないことへの不安感が高まってしまいます

しかし、客観的に考えてみれば、完全な人間など存在しません。完全を求めると、減点法でしか自分をみられなくなります

そして、成功してもそれを喜び、自信を付けていくことが難しくなります
3. 柔軟性が低い考え方に、変化や具体性が乏しくなりがちです。例えば、「いつも辛い」「みんなそう考えている」というように、全てひとまとめで考えがちです
4. 自己評価にも強い影響を与える自分の行動や感情から、人格そのものを判断してしまいます。「こんなに気持ちが動揺するなんて、未熟な証拠だ」「こんなこともさっさとできないなんて、私はだめな人間だ」と考えてしまうのです
5. 取り返しがつかないと考える問題を取り返しがつかないと考える傾向にあります。「この仕事を失敗したら終わりだ」「もう手のほどこしようがない」「こんなことになって、もうやり直せない」と性急に判断してしまいがちです


そのため、抑うつ状態にある人は、人生の大きな決断を慎重に行った方がよいと言われます

以上のような特徴が、気持ちを沈み込ませやすいのです。決めつけた固い考えや性急な判断をせずに、色々な点から、可能性を考えてみることが大切です

楽観的に考える必要はありませんが、客観的にものごとをみていくことです

柔軟で多様な考えがあっていいものですし、考えはひとつではありません


めっきり冷え込んできましたね

風の冷たさが身にしみます。風邪などめされませんように、どうぞご自愛ください
引用文献・参考文献大野裕 (1990). 「うつ」を生かす―うつ病の認知療法 星和書店