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強迫観念について

こんにちは
初めまして心理士の伊藤です
4月になって、気温も暖かくなり、お花見やピクニックなどお出かけしたくなる季節になってきましたねチューリップなどが咲いていると春を感じます

さて、今回は「強迫観念」についてお話したいと思います

阪神大震災で被災した人たちは、「また地震が起こるのではないか、起こったらどうしよう」ということが頭から離れなかったといいます。あれほどの大災害ですから、ごくごく自然なことですが、多くの人たちは日がたつうちにしだいにそれも和らいできて、落ち着いていったようです。
ところが、なかには「再び地震が来るのでは」という考えがどうしても頭の中から離れず、不安になって、日常生活もままならない状態になられた人がいました。いくら大丈夫だと自分に言い聞かせても、どうしてもその考えが頭から離れないのです

このように、ある考えが心を占めつづけ、意識して取り除こうとしても除けず、日常生活に支障をきたすような場合、そのような考えを強迫観念とよびます。
「人間はなぜ生まれたのか」といったような疑問が頭を離れずほかのことができない、あるいは「自分は他人に暴力をふるってしまうのではないか」、「○○をしなければ悪いことが起こるのではないか」といった考えが頭を離れないなど、いろいろなかたちがありますが、いずれにしても、本人は追いはらおうとしてもはらえない考えにつきまとわれており、相当な苦痛を感じているのが特徴です

こうした考えを打ち消そうとして、意味のないこととわかりつつ同じ行為を繰り返してしまうこともあります。例えば、手がひどく汚れている気がして数時間も手洗いを続けるなどの行為がそれにあたりますが、こういった場合は、強迫観念とは区別して、強迫行為とよびます。

強迫観念、強迫行為のいずれにしても、心の中にある不安と深く結びついており、カウンセリングなどの心理療法でその不安の変容を図ることが大事だと考えられています

4月になり、新しい環境で身体も心も疲れている方が多いのではないでしょうか
無理をせず、身体を大事にしてお過ごしください

参考・引用文献
はじめての心理学 編 氏原寛 松島恭子 千原雅代
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【 2015/04/24 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

落ち込む気持ち⑦

こんにちは心理士の亀山です
吹く風も柔らかくなり、心地よい季節になりました。風に誘われて、外に出掛けやすくなりましたね

落ち込む気持ち⑥では、自分の性格の特徴からストレスを感じやすい状況について考えました

ストレスを感じたり、気分が落ち込んだりすることは誰でもあることですしかし、「うつ」となると、その程度が強く深刻になります。辛い状態がずっと続き、日常生活に支障をきたすようになってもほうっておくと、様々な問題が起きてきます

そのため、心身に表れる「うつ」の兆候に気を配っておくことが大切です。大まかに分けると、「うつ」には5つの特徴があると言われています

1.【感情面の症状】
・憂うつになって気分が落ち込む。
・悲しい気持ちで心がいっぱいになる。
・些細なことでも涙ぐむ。
・周りに対して罪悪感を感じる。
・自信がないために、漠然とした不安を感じたり、緊張したりする。
・心では人に優しくしたいと思っても、逆にイライラして周囲に当たってしまう。

2.【意欲面の症状】
・これまで好きだったことへの興味が低下する。
・何をするにも気力を振り絞らないとできなくなる。
・職場で仕事に身が入らなくなる。
・身だしなみに気を遣わなくなる。
・考えるのも億劫になり、自分の問題について考えることも避ける。
・人付き合いが嫌になる。

3.【行動面の症状】
・自分一人の世界に閉じこもりがちになる。
・ぼんやりとする時間が増える。
・意識的には“~をしなければ”と分かっていても、行動に結びつかず、体が動いてくれないように感じる。
・行動が突然に止まってしまう。
・気持ちばかりが焦って、落ち着きがなくなる。

4.【認知面の症状】
・広い視野でものごとを判断できなくなる。
・考えがまとまりにくくなり、思考力が落ちる。
・集中力が低下する。
・ものの見方か考え方が極端になることもある。

5.【身体面の症状】
・眠れない(寝つきが悪い、夜中に目が醒める、朝早く目が覚める)。
・寝ても眠った感じがせず、疲れが取れない。
・肩こり、頭痛、頭重感がある。
・食欲低下や体重減少がある。
・便秘や下痢、胃痛がある。
・倦怠感がある。
・微熱が続く。


認知面の症状だけでなく、心身の色々なところに「うつ」の兆候が表れてくることが分かります

少しの気分の沈みは誰にでもあることです。しかし、もし本当に大きく気分が沈み込んでいる場合には、5つの特徴と照らし合わせながら、ご自身の心身の状態をみていくことが一つの助けになるかもしれません


では、季節の変わり目ですが、どうぞお健やかにお過ごしください


引用文献・参考文献
大野裕 (1990). 「うつ」を生かす―うつ病の認知療法 星和書店
浅川雅晴 (2011). 今すぐ役立つ心の痛み解消法 KKロングセラーズ
【 2015/04/15 】 未分類 | TB(0) | CM(0)