こんにちは。心理士の亀山です

少しずつ吹く風も夏めいて、暑さを感じる季節になりましたね

ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか?休めるときに、心身に溜まった疲れを癒すことも大切です

“癒し”“リラクゼーション”という言葉は、日常の中で度々見聞きします。現代社会はストレス社会であると言われて久しく、ストレスとどう付き合って生活するかは多くの人にとって関心事になっています

人は生きていく上で、他者や環境からの影響を受けざるを得ません。例えば、会社から出されたノルマ、昇進、学校のテスト、両親からの言葉などは、人に心理的影響を与えます

周りからのあらゆる刺激は、心身に何かしらの変化を起こします

そして、私たちが日常で使っているストレスとは、環境からの影響によって生じた、悩みや緊張や疲労の状態のことを指します

ストレスによって引き起こされる反応には、多くの人に思い当たるふしがあるかもしれません。例えば、会社員・女性Aさんの例をみてみましょう。
Aさんは、会社の前で入るのをためらうように立ち止まっています。顔色も悪く見えます。同僚が心配そうに、「何があったの?顔が真っ青だよ」と言いました。「昨日、職場の先輩が自分の悪口を言っているのを聞いてしまったの。それで、その先輩に会うのがとても嫌になってしまって。胸がどきどきして、手が汗ばんで、めまいがするわ。のどに何かつかえているようにも感じるの。悪口を言われていたことを考えれば考えるほど、気分が悪くなってくるわ」。
会社の始業時間が迫って来ています。気持ちが追い詰められていくように感じて、Aさんは頭に血が上ってカーッとなりました。
Aさんの反応は、典型的なものだと言えます

皆さんは、このような症状に思い当たるところはありましたでしょうか?発表前に心臓がバクバクして頭が真っ白になったり、大事な約束の前に不安になって回れ右をして逃げたくなったり、人によって様々な出来事が思い浮かんでいるかもしれません

また、ストレスは全て悪い影響を与えるというわけではありません

例えば、会社のノルマも、締切があるからこそ仕事の効率が上がり、やる気が出てくる場合もあります。ストレスは、成長・発達にとって大切な負荷にもなっているのです

つまり、本来は、ストレスとは、変化に対する心身の反応全般を指します。状況や場所、人が感じたことに対して、心と体が反応します

そう考えると、現在の自分にとって“ストレス”になっていることは何があるでしょうか

自分に良い影響を与えているものも含めて考えてみましょう。
ストレスを起こす原因は、内的なものと外的なものに分けられます。
内的 = ストレスを起こす気持ちや身体的なもの ・心理的なもの(緊張、不安、悩み、あせり、さみしさ、怒り、憎しみなど)
・身体的なもの(疲労、不眠、感染など)
外的 = ストレスを起こす出来事や周りの環境 ・物理的なもの(寒暖の変化、騒音、高低音の刺激など)
・社会的なもの(経済状況の変化、人間関係など)
例えば、Aさんの「嫌な先輩に会ったらどうしよう」「悪口が広まっていたらどうしよう」という不安は内的なものです。そして、悪口を言われたというのは外的なものです。
皆さんは、最近は、どんな内的・外的ストレスを感じていますか

?時には、自分の心身の状況について振り返ってみることも大切だと思います。
5月病という言葉があるほど、この季節は、知らないうちに心身に無理をさせているということもあります

日中は汗ばむほどですが、どうぞご自愛ください。
引用文献・参考文献スーザン・R・グレッグソン ストレスのコントロール 大月書店