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気持ちのコントロール②

こんにちは。心理士の井上です。
12月になりましたが、気温の差が激しい毎日ですね。

さて、今日は「気持ちのコントロール②」ということでお話しさせていただきたいと思います。

“気持ちのコントロール①”では、手軽にできそうな方法として呼吸法についてお話させていただきました。今回は呼吸法と合わせて使うとよりコントロールしやすくなるといわれているイメージを使った方法を紹介します。

その前に“気持ち”つまり“感情”とはどんなものなのでしょうか。人にとって感情はとても大切なものです。弁証法的行動療法では感情を「何が起きているかを教えてくれる身体の中の信号」と捉えています。つまり感情があることで人は即座に状況を把握することができるわけです。例えば、何か身に危険が迫れば“恐怖”の感情が生まれ、「逃げる」「避ける」といった危険を回避する行動ができるわけです。

そう考えると感情というのはとても大切なものなのですが、私たちには“感情”だけでなく“思考”(考える力)が備わっています。この二つがうまく働いていればよいのですが、悪循環をしてしまうときもあります。

例えば、家族に気に障ることを言われて怒ったとします。このときの感情は“怒り”です。その後、怒ったあとに(また怒ってしまった。やりすぎた。)などの思考が働くと、次に湧いてくる感情は“後ろめたさ”ということになります。この連鎖が続くと、感情の連鎖になってしまい、落ち込みが激しくなってしまうこともあるかもしれません。

ここで大切なことは、第1の感情は“怒り”であり、その後の“後ろめたさ”は、思考のあとにおこった2次的な感情であるということです。つまりこの2次感情は思考をうまくコントロールすることで抑えることができるということになります。

そこで、イメージを使ったコントロールを紹介します。
2次的・3次的な感情に圧倒されそうなとき、感情のコントロール①で紹介した呼吸法を使いながら、頭の中で例えば川をイメージします。そこを流れていく葉の上に最初の感情の後に考えた思考(上の例では「また、やってしまった。やりすぎた。」)を乗せて、川下へ流れていくイメージをしてみるのです。そうすると、先の例で浮かんできた2次的な感情である“後ろめたさ”はなくなりはしないかもしれませんが、程度は小さくなると思います。
 思考をうまく流していく一つの方法です興味のある方はやってみてくださいね。

それでは、気温の変化が激しいですが、お体にはお気をつけてお過ごしくださいね。
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【 2015/12/19 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

ストレス⑥ 「断ることの大切さ」

こんにちは心理士の亀山です。
クリスマスイルミネーションが、目を楽しませてくれる季節となりましたね寒い季節ですが、暖かい気持ちになれます。

さて、ストレス⑤では、「ストレスへの対処法」についてお話ししました。今回は、「断ることの大切さ」についてお話します

ストレスを抱えすぎないようにするために、出来ないことは出来ないと断ることは、とても大切なことだと思います。例を出して、考えてみましょう。


架空の例)女性・40代・主婦・パートのAさんの例
土曜日の夜、携帯にメールが届きました近所のママ友からです。「明日の日曜日の午後、私の家でお茶会するんだけど、来ない?」と、お誘いのメールでした。

その時のAさんは、くたくたでした。パート先で一日働いた後でしたし、何より店長に注意されたことがショックでした家に帰っても家事があり、ご飯を作って、掃除をして、やることが山積みです。その上、明日は子供のスポーツ少年団の練習があり、お弁当を朝早くから作らなくてはいけません。お茶会に行こうと思えば行けますが、かなりのハードスケジュールになりそうです。この一週間の疲れも取れないでしょう

心の中で、色々な考えがめぐります“行こうと思えば無理ではないのだから、行かないのは失礼になるんじゃないかな”“近所づきあいもあるし、付き合いが悪いと思われたら嫌だな”“でも、とてもじゃないけど、みんなでワイワイと話す気分でもないし、楽しめないと思う”“日曜日に休まないと、疲れが残りそう。どうしよう”。


さて、皆さんがAさんの立場でしたら、どうすると思いますか人によって様々でしょうし、正解や間違いがあるものでもありません。

ただ、自分の限界以上のことをやろうとしたり、引き受けてしまったりすると、ストレスになることがありますそのため、「できない」と断ることは、ストレスを減らす方法でもあるのです。

現代社会に生きる人々は、仕事、家事、育児、近所付き合い、仕事の付き合い、勉強、その他いろいろとやることが多すぎて、いつの間にか多くを抱え込んでしまいやすい状況にあるようですこれには、近代化も関係しているようです。携帯やSNSなど、すぐに連絡がつくことで、いつでも拘束されてしまうのです。

誘われたとき、頼まれたときに、なかなか断れないことも理由です。そして、やることが多くありすぎて、それがプレッシャーになったり、ストレスになったりすると、悪循環が起こります

例えば、そのうち課題をこなせなくなったり、ドタキャンしてしまったりすることで、「自分は上手くこなせない」「人としていけないことをしている」と思うようになり、ストレスは一層大きくなります

また、やることが多くて余裕のない計画を立てると、焦りも出てきて自分も苦しくなりますし、時には周りに当たってしまうこともあるかもしれません。

自分のできること以上にやることを抱えてしまうことは、よい結果にはつながらない事の方が多そうです。取り組む課題や予定を減らすことで、ストレスも減り、上手くこなせるようになっていけれるかもしれません

考えてみれば、仕事の付き合いに毎回顔を出さなくてもいいですし、週末が空いているからと言って誘いを断ってはいけないわけではないのです。もちろん、大事な用件のときには、断れることばかりではありませんそのときには、自分ができる範囲で引き受けられるように、相手と相談していくことが大切です

では、寒さがひとしお身にしみるころとなりましたが、どうぞご自愛ください


引用文献・参考文献
スーザン・R・グレッグソン ストレスのコントロール 大月書店
【 2015/12/07 】 未分類 | TB(0) | CM(0)