こんにちは

心理士の亀山です

寒さが厳しく、立春とは名ばかりのように感じてしまいます。春の訪れが待ち遠しいですね

さて、ストレス⑦では、ストレス状態を回避するために、
計画を立てて見通しを持つことの大切さについてお話ししました

当たり前のことのようにも思えますが、忙しい毎日の中で難しい場合もあるかもしれません

さて、今回は
ストレスについて話すことの大切さについてお話したいと思います

問題を見ないふりや気にしていないふりをしたり、気持ちを隠したりすることで、ストレスを溜めこんでしまうことがあります

しかし、そのような心の内にあるさまざまな不安やイライラ、苦悩や怒り等の感情を言葉にして表現することで、その苦痛が和らぎ、安堵感や安定感を得ることができることもあります

このような効果を、
カタルシス効果と呼び、「心の浄化作用」とも表現されます

親しい人に愚痴ったり相談したりする中で、気持ちがすっと軽くなったという体験をされた方もいらっしゃると思います

また、話すことは、問題解決のための第一歩になることもあります

実際に解決するかは場合によりけりでしょうが、相手に自分の思いを話し、相手の思いも聴き、お互いを理解する中で溜めこんだ気持ちが和らいでいくことがあります。例を出して、考えてみましょう。
架空の例) 男性・20代のAさん Aさんは、友人のことで悩んでします

その友人は、会う時にいつもお金を持ってきていません。一緒に食事に行った時に払うのはいつもAさんです

その友人は、「ごめん。財布を忘れてきたんだ」とか、「今月はお金がなくてね。次の給料日になったら払うよ」などと言います。始めの頃はそれを信じましたが、もう2か月間もお金を貸したままです

お金のことであれこれと言うのは、ためらわれます。しかし、もうAさんは我慢できません

なぜなら、友人なのに利用されているような気がして、嫌なのです。でも、怖くて話す勇気が出ません。お金のことを抜きにすればいい友人のように思えます。だからこそ、友人関係が崩れたらと思うと、自分の素直な気持ちを話すことに不安な気持ちになります

皆さんがAさんの立場だったらどうしますか

お金のことで言うことは嫌だと思って、黙っておくという方もいると思います。一方で、友人に自分の思っていることを伝えて、話し合うというのも一つの方法です。
友人に黙っておく場合を考えてみましょう

一見、すぐには波風は立たないので平穏なようにみえるかもしれません。しかし、Aさんは怒りとストレスを持ち続けることになります

また、Aさんに会うことが嫌になって、疎遠になっていくかもしれません。長い目で見ると、ずっと問題が残ったままになることが想像できます。
友人に思っていることを話す場合を考えてみましょう

友人に自分の率直な思い、特に言いにくいことを話すことは勇気がいることでしょう。しかし、問題解決のための第一歩とも捉えることもできます。
友人に思っていることを伝えれば、もしかしたら分かってくれ、これからはきちんとしてくれるかもしれません。その友人が分かってくれるか、それとも言って怒ってしまうか、どういう反応をするのかは、分かりません

未来のことは分かりません。しかし、言わないと伝わらないことはあり、行動しなければ変わらないことがあるのも確かです

ときに、話し合うことで問題が解決できる場合もあります

視野が狭くなってくると、「問題や状況に追い込まれているのは自分だけだ」と思い込むことがあります。そして、自分だけで思い悩んでしまいます。しかし、話し合ってみれば、その友人も同じように悩み、苦しんでいることもあるのです。
ですから、
勇気を出して、自分が思っていること、問題だと思うこと、ストレスになっていることを相手に話すことも一つの方法です。話すことの利点と欠点はあると思いますが、ストレスや問題への対処法として持っておくことは大切だと思います

では、まだまだ寒さ厳しいですが、くれぐれもご無理などなさらないようご自愛ください
引用文献・参考文献スーザン・R・グレッグソン ストレスのコントロール 大月書店