こんにちは。心理士の筒井です。
もう七夕ですね

職場で七夕飾りをつくった時に,短冊に願いごとを書かせてもらいました。
それだけで今年はいいことがありそうな気分になれました。
前回は,自分自身のこころに耳を傾けてみるお話をさせていただきました。
今回は,相手の気持ちに寄り添ってみることで,コミュニケーションや人間関係を良好なものにしていくことについて考えたいと思います

皆さんは,思いやりをもって接してもらえると,とても嬉しくなりませんか?
例えば,あまり体調が良くなくて気持ちも塞いでしまっている時に,さりげなく「大丈夫?」とひと声かけてもらえただけで,少し気が楽になって身体の緊張も緩むことがあります。
そのひとことのおかげで,気持ちも身体もほっとするんですよね

そのような相手を思いやるひとことが言える素地として,『相手の気持ちや意識を推量する想像力(田中2011)』が大切になってきます。
上述の例でいえば,普段よりも顔色が悪いということに気づいて,そういえば最近忙しそうにしていたから疲れが溜まっているんじゃないかなとか,そんな中で休まずに一日仕事をするのはつらいだろうな,すごく頑張って出勤してきたんだろうな,といった想像が巡ります。
相手の状況や経緯,心身の状態,気持ちといったものを想像できるからこそ,思いやりのある言葉をかけることができるのですね。
また,そういった相手に対するちょっとした気づきや思いやりを,こころの中で感じることはあるけれど,口に出して言うことはあまりないなという方も多いかもしれません。
なんだか気恥ずかしかったり、自分がそんなことを伝えても相手のつらさが和らぐわけでもないし…など、いろいろ考えてしまうこともあるかと思います

ですが、そのような何気ない思いやりのひとことが、日常の人間関係を良好に築いていく上で、意外と重要になってきます。自分自身に置き換えてみてください。つらくてもなんとか頑張っているときに、ねぎらいやいたわりの言葉をさりげなくかけてもらえたら、そのときだけでもほっとできたり、報われた思いになるのではないでしょうか。
また、言葉をかけてくれた相手に『ありがとう』といった感謝の気持ちを感じるかもしれません。このようなやりとりをきっかけとして、思いやりや感謝の気持ちが行き交う関係を上手に育てていけそうです。
皆さんも、飾らない言葉で十分ですので、そういった思いやりの言葉をいつものコミュニケーションの中でひとこと添えてみてはいかがでしょうか

では、日差しも一段と強くなってきました。
どうぞお身体ご自愛ください

文献:『対人援助者の条件 クライアントを支えていくということ』(2011)村瀬嘉代子・傳田健三編