fc2ブログ

091234567891011121314151617181920212223242526272829303111

アンガーマネジメント②

こんにちは。
心理士の筒井です。
先日から、急に秋めいてきましたね

前回のアンガーマネジメントの続きをお話したいと思います。
『怒りの感情は、多面的でなかなか繊細な性質をもっている様だ』といったことを、前回お話させていただきました。
では、自分自身の怒りの感情とうまく付き合っていくには、どのような手立てがあるのでしょうか?
今回は、そういった具体的な例のひとつとして、『アンガー ログ』についてご紹介したいと思います。


『アンガー ログ』
 自分の怒りの感情の傾向についてよく知ることで、対策も検討しやすくなります。
そのために、怒りについて記録してみる『アンガー ログ』という方法があります。自分が怒れた場面について、さっと記録をとってみる方法です。感情の前面に見える怒りの奥底にある『自分の本当の思い』を探る大切な資料になるでしょう。
『アンガー ログ』では、次のような内容を記録していきます
・いつ
・どこで
・誰に
・どのような出来事(言動)で
・その時の自分の感情や考え
・本当は相手にどのようにして欲しいと思っていたのか
・実際にどのような結果になったか

さらに、その時に感じた『怒り』を数値化して記録してください。
なんの怒りも感じない状態を『0』、自分の人生のなかで最大の怒りを『100』としてみます(想像でもいいですよ)。その時の『怒り』の度合いは、何パーセントぐらいでしたか?


『アンガー ログ』では、ご自分が感じた怒りの感情について、客観的に記録していきます。怒れたり、イライラした出来事があったら、なるべく早く記録してみてください。記録が得られるだけでなく、書いているうちに少しずつ冷静になれるといった効果も期待できます。
こういった記録を見ていくと、自分の怒りの傾向がだんだん見えてきます。普段は意識されないような自分の考え方の傾向や、信念となっているような価値観が見えてくるかと思います。そういった怒りにつながりやすい考えや価値観について検討して、考え方の幅をひろげてみるといった対策もとることができるようになります。
少し根気がいる作業になりますが、自分の気持ちにじっくりと耳を傾ける貴重な機会が得られるのではないでしょうか

では、朝晩の寒暖差が感じられるようになりました。
風邪などにもお気をつけください
スポンサーサイト



【 2016/10/17 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

アンガーマネジメント

こんにちは。心理士の筒井です。
台風が過ぎてもすっきりとしない天気が続いています
この時期、体調を崩される方も多いのではないかと思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

『アンガーマネジメント』という言葉をご存じでしょうか?
『アンガー』とは、イライラや怒りのことです。
『マネジメント』とは、『上手く付き合う』とでも言えるでしょうか。

つまり、『アンガーマネジメント』とは、自分のイライラや怒りの感情をコントロールしてうまく付き合っていく方法を学ぶプログラムになります。
最近、カウンセリングのなかで、このようなプログラムに取り組む機会が増えてきました。
『イライラ、怒り』と聞くと、あまりよくないもので、できれば感じなくて済むと楽なのに、と思われるかもしれません。そんな少し厄介者(?)のような感情ですが、付き合ってみると意外と繊細で重要な感情でもあります。

例えば,憤りが原動力になって,新たな試みに挑戦できることもあると思います。怒りという大きな心のエネルギーは,破壊的にもなりますが,うまく御すことができれば大きな推進力にもなります
また,ひとくくりに怒りの感情と言っても,その内にはさまざまな感情が入り混じっていることに気づきます。特に,そういった感情の機微に耳を傾けていくと,傷つきや悲しみの怒り,心配のあまり怒れてしまうこと,不安や動揺をかき消すかのような怒りなど,さまざまな怒りの声が聞こえてきそうです

怒りを表す言葉も,人それぞれに違っていますよね。
児童精神科医の佐々木(1998)は,近年になって『怒り』の感情を表す言葉がつぎつぎに増えていくことを指摘しています。「いらいらする」,「腹が立つ」といった表現ではおさまりがつかずに,「頭にくる」,「ムカつく」,「キレる」という風に,語感からも怒りがどんどんエスカレートしていく様相がわかるのではないでしょうか
このなかで,佐々木は,こんな点も危惧しています。

「…一方で,私たちのまわりに怒りの表現に匹敵するような,喜びとか悲しみを表現する言葉があるかというと,ないのですね。現代人は,『うれしいな』と思う感情を,「うれしい」という言葉でいえば,もうそれで十分なわけです。喜びの感情を,もっと大きな表現でするほどの喜びは,なくなってしまったのですね,あるいは喜びがあっても感じなくなっているのです。悲しみもそうです,『悲しいな』なんていうことを言っている人は,めったにいないですね。…」

少し引用が長くなりましたが,このような視点も『怒り』に耳を傾けるなかで心に留めておきたいなと思っています。
みなさんの『怒り』は,普段どのように表れてくるのでしょうか,また,それに匹敵するような他のさまざまな感情をどのように味わっていますか?

今回は,『アンガーマネジメント』の紹介かたがた,『怒り』について考えてみました
怒りの感情は,激しさと裏腹にデリケートな感情だからこそ、じっくりと向き合うことで、自分自身を深く理解でき,成長へとつなげていけるのかもしれませんね。

『秋の夜長』を感じられるようになってきました
そのような時に、ゆっくりと自分のための時間をとれたら素敵ですね。
どうぞお身体ご自愛ください。

引用文献: 佐々木正美著 『子どもへのまなざし』 1998,福音館書店
【 2016/10/01 】 未分類 | TB(0) | CM(0)