こんにちは。心理士の筒井です。
朝晩はずいぶん冷え込むようになってきましたね

暖房を使おうかどうしようか悩みながら,少しエコを意識して,今のところひざ掛けで暖をとっています

アンガーマネジメントについてのお話が続いていますが,今回は,プログラムの全体像を整理してみたいと思います。
『怒り』の感情にアプローチしていくために,プログラムでは,大きくわけて3つの領域から検討していきます。
生理的反応への対応怒りの感情は,気持ちの問題だけでなく,身体的な反応とも一体となっています。
怒りを感じた時に,私たちの身体はどのように反応しているのでしょうか

また,身体をリラックスさせることで,怒りの感情や興奮状態を鎮静させていくこともできるでしょう。
そのような,身体とこころの双方向的な関係について知り,アンガ‐マネジメントに活かしていきます。
認知的反応への対応どのような出来事を(状況),どのようにとらえて(認知・思考),どのように反応するのか(行動,感情),といったことは人それぞれに違っていて,その人らしさの特徴でもあります。自分自身がどんな時に怒れてしまうのかといった特徴について,客観的に捉えていきます。
そのなかで,自分自身の価値観や考え方の傾向についてあらためて知り,そのメリットやデメリットを検討したり,視野や思考の幅をひろげてみる方法を学び,活用していきます

向社会的判断力・行動力の育成怒りを感じることは誰しも当たり前のことですが,抱えた怒りをどのように消化し表現するかといった点は,対人関係や社会生活のなかで重要な問題になってきます。
感情にまかせた無鉄砲な表現手段ではなく,自分の真意を適切な表現方法で伝えることで,周囲の理解が得られたり,問題解決にむけた建設的な関係づくりに転換していくことができるでしょう。そういったソーシャルスキルを実践的に学んでいくことも重要になります


いかがでしょうか。『怒りの感情』をさまざまな視点からみていくことで,アンガ‐マネジメントが,『やっかいな感情への対処方法』というだけでなく,自分自身を深く知り,幅を広げていくための興味深いツールとして見えてくるのではないでしょうか。最近では,アンガ‐マネジメントが,企業や教育機関の研修で注目されているというのも納得できるかと思います。
それでは,少し長くなりましたが,アンガ‐マネジメントのご紹介はこれくらいで。
秋も深まってきました。温かくしてお過ごしください。
では,お身体ご自愛ください

参考文献:『アンガ‐マネジメントとは』 アンガ‐マネジメント研究会HP