<泣くから悲しい?悲しいから泣く?>
こんにちは。心理士の井上です。
前回、“泣くから悲しくなるのか、悲しいから泣くのか”というテーマを取り上げました。
その中で、「泣く」や「笑う」などの身体的な(表面上の)変化が、脳に影響を及ぼし、
「悲しい」や「うれしい」という感情を生起させるという考え方(抹消起源説)を紹介
させてもらいました。
しかし、一般的には「湧いてくる感情をもとにして、涙を流したり、笑顔になったり
する」と考えられているため、抹消起源説に対する批判も多いです。
そこで今日は、別の考え方を紹介させていただきたいと思います。その考え方は
“中枢起源説”と呼ばれます。
例えば、大切な人との別れという場面では、その悲哀感情がまずあって、その
後に『悲しみのあまり涙を流す』という流れを考えてみましょう。
ここでは、<悲しい出来事→悲哀感情→涙を流す>という順序と考えることが
できると思います。このように、感情を脳(中枢)で感じてから、涙を流すなどの
生理学的変化がもたらされるとするのが“中枢起源説”です。
この考え方“悲しいから泣く”は、日常生活にあてはめてみても、なんとなく
しっくりきますね。前回の作り笑いの例のように“抹消起源説”で説明できる
こともあれば、今回の“中枢起源説”のほうが説明しやすいこともあります。
どちらかが正しいということではなく、場合によって違うようです。
また次回、別の感情理論を紹介させていただきます。
少しずつ暖かくなってきましたが、急に寒くなる日もあります。どうぞお体
にはご自愛ください。
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