こんにちは。心理士の井上です。
今日は精神的健康を考える上で、近年注目されている“レジリエンス”という言葉を紹介したいと思います。
前回はストレスのお話をさせていただきましたが、同じようなストレスの下であっても、人によって立ち直れないような辛い気持ちになってしまう人と、それほど大きな影響を受けない人がいる‐つまり、受け取り方は人によって違うことに気づかれるかもしれません
この違いに関係するのが“レジリエンス”です。
レジリエンスもストレスと同じく工学や物理学の言葉で、「弾力」とか「跳ね返す力」という意味を持っています。
それが精神医学や心理学の領域でも使われるようになりました。精神医学や心理学で使われる“レジリエンス”とは、「精神的な回復力」・「精神的なしなやかさ」を意味しています。
一般的には「ストレスに対する抵抗力」「ストレスに負けない力」「落ち込んだ状態から立ち直る力」という意味でも使われています。
“レジリエンス”と言われると難しく聞こえます。しかし、個人差はありますが、誰でも多かれ少なかれ持っている力です。
例えば、幼いころ、お父さんやお母さんに叱られた経験は誰でもあると思いますが、叱られた後は少しずつ落ち着いて元の状態に戻ったはずです。
このもとの状態にもどる力が“レジリエンス”です。
現在の社会は“ストレス社会”とよく言われます。学齢期には学業成績や入学試験、成人期にも就職や職場でのストレスなど、私たちは生きていく中で多くのストレスにさらされています。しかし、その多くは社会全体の問題なので、すぐに取り除くことはできません。
そこで、社会を変えるのではなく、個々が“レジリエンス”を身に着けることで日常生活をより快適に過ごせるようにしようという発想が生まれたのです。
“レジリエンス”って、とても大切な力ですね。
次回はレジリエンスを育てる方法についてお話しさせていただきますね。
暑くなってきましたが、どうぞお体にはご自愛ください。
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