こんにちは。心理士の井上です。
今日は“レジリエンス”についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
前回“レジリエンス”とは、「ストレスに対する抵抗力」「ストレスに負けない力」「落ち
込んだ状態から立ち直る力」であるということをお話しさせていただきました。
同じようなストレスがあっても、人によって立ち直れないような辛い気持ちになってし
まう人と、それほど大きな影響を受けない人がいるのはこのレジリエンスの強さに関係し
ているということになります。
この“レジリエンス”を育てることは、“逆境に負けない心”“折れない心”を育てることにも
なります。
レジリエンスを育てるには、自分の思考をできるだけ柔軟で正確なものにしていく必要
があります。そのためにまずは自分の“考え方のクセ”を知ることが必要です。
思考のクセを知るには“ABC分析”ということをしてみるとよいです。これは、ある出来
事(A)を、考えて解釈(B)し、その結果として感情や行動(C)が起こる、という一連
の流れを書き出してみるというものです。
同じ出来事(A)であっても、人によって解釈(B)や感情・行動(C)は違うこともあ
ります。
例えば、「友達にメールを送ったが返事がこない」(A)の場合、→「嫌われている」と
解釈(B)→「悲しくなって泣けてくる」という感情や行動(C)となる人がいるかもしれ
ません。
しかし、「友達にメールを送ったが返事がこない」(A)→「忙しいに違いない」と解釈(B)
→「もう少し待ってみよう」という行動(C)となる人もいるかもしれません。
つまり人によって“考え方のクセ”があることがわかりますね。自分のこのクセを知る
ことで、落ち込んでしまうパターンを特定し、(B)の解釈する段階で、じどうてきに考えてし
まう自分の解釈は本当に正しいのだろうか、別の考え方なら別の解釈ができるのではない
だろうか、と考え直してみる。そうすることで、より安心できる感情や行動に変わるかもしれ
ません。
これは認知再構成法とも呼ばれるものですが、日ごろの生活の中で、自動的に起きてし
まう思考に意識を向けて、新たな他の思考はないかと考えることそのものがレジリエントな
思考かもしれませんね。
暑い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
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