こんにちは。心理士の井上です。
今回は“落ち込むこと”について考えてみたいと思います。
“落ち込む”と聞くと、それ自体よくないものとして語られることが多いです。
特に最近は“うつ病”という言葉が知られるようになり、“落ち込むこと”と近いイメージで定着しているように思われます。
しかし、“落ち込むこと”は、本当にネガティブなことなのでしょうか。
確かに“落ち込むこと”はつらいことでもあり、できる限り体験しないほうがいいことかもしれません。
物事がなんの問題もなく、順調に進んでいるとき、“落ち込む”必要はありませんよね。
しかし、何か大きな失敗をしたときや、衝撃的な出来事に出会ってしまったときはどうでしょう。
私たちは当然“落ち込む”でしょう。
この“落ち込むこと”は予想外のネガティブな現実を受け止めるためにはどうしても起きてしまうことです。
また、“落ち込むこと”によって、私たちは“困り”を感じて、問題にどう対処したらよいか考えることになります。
“落ち込む”ような失敗や出来事があるのに“気にしないで前向きに”なることは、実は現実逃避になることもあるかもしれません。
このように考えてみると、私たちには必要な“落ち込み”が存在し、だからこそ解決策を探して、少しでも改善できるような方向に向かうことができたり、周りの人に手助けを求めたりすることができると言えるかもしれません。
先にも述べましたが、“落ち込むこと”とうつ病は近いイメージで語られることが多いと思います。
私たちは失敗や起きた現実への心配から“落ち込み”、気分がわかない、力が湧かないなどの状態になるかもしれません。これを“抑うつ状態”といいます。
しかし、これは“うつ病”とは異なります。
“うつ病”は現実的な問題がきっかけではありますが、その問題が解決されても継続している状態をさします。
このことから“落ち込むこと”と“うつ病”は同じものではないことがみえてくると思います。
“落ち込むこと”は、“いけないことではないこと”と頭の中に置いておくことで、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。
毎日寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
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