こんにちは。心理士の井上です。
これまでいくつかの“自動思考”を紹介しました。
“自動思考”とは、出来事に対して自動的に頭に浮かんでくる考えのことでした。そして、この考え方のパターンによって、つらくなったり、苦しくなったりするのであれば、その考え方のパターン(クセ)を見直した方がよいと言えます。
これまでいくつかの“自動思考”を紹介しました。
今日はさらに、その“自動思考”の一つ、“自己関連付け”を紹介します。
“自己関連付け”とはネガティブな出来事の責任はすべて自分にあると考えてしまい、自分以外の責任や原因を考慮しないことを言います。
例えば、
「近くの人が、チラッとこちらを見て笑って話していた。私の悪口を言っていたんだ。」
チラッとこちらを見たのは偶然かもしれませんが、自分に関係のない出来事をすべて自分に結びつけて考えています。
その場の状況から考えられる原因や可能性を考慮せず、「自分のことを笑って悪口を言っている」と自分が辛くなるようなことと結びつけてしまっています。
このような“自動思考”が強いと、絶えず周りから非難されているように感じたり、すべての失敗の原因が自分にあると考えてしまい、落ち込み方が激しくなってしまいます。
さらに落ち込み方が強くなると、自分の存在自体を否定することになり、生きていくことも辛くなってしまうかもしれません。
このような傾向がある場合、その出来事がうまくいかなかった原因を分析してみてはいかがでしょうか。
そのとき原因として考えられることや別の考えを書き出してみるとよいと思います。
先の例で、別の考えを探してみると、
・何か面白い話をしていたのかもしれません。
・こちらをチラッと見たのは、自分の方を見ただけで、自分を見たわけではなかったかもしれません
・そもそも私のことを知らないだろう。
このように、その時とは別の捉え方がないかを探してみるとよいと思います。
直接確かめることができなくても、このように分析することで、自分の考え方のクセを知り、気持ちが少し楽になるかもしれません。
日中は汗ばむ日も増えてきました。どうぞお体にはご自愛ください。
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