こんにちは。心理士の井上です。
今日は、人とのコミュニケーションの中で私たちが行っている“応答”について話したいと思います。
“応答”とは、相手の発言を受けてこちらが発言を返すことを言います。英語では“respond”と訳されますが、似た言葉に“react”という言葉があります。“react”は、反応と訳されます。
二つの言葉は似ていますが、英語では特に“人”についてこれらの言葉が使われた場合、全く意味が違うようです。
「彼はresposive(respondの形容詞)です。」と言うときは、とてもポジティブで彼の印象は良いのですが、「彼はreactive(reactの形容詞)です。」と言うときは、逆にネガティブで彼の印象は悪いそうです。
この違いは何でしょうか。
“respond”は相手の言動を聞いて、一息ついてからその内容を確認してから相手のことを思いやった応答のことを指します。確認的な応答と言えます。
例えば、親子の会話の中で、
子:「テストの点あまりよくなかったよ。」
親:「もっと取りたかったんだね」
「テスト勉強頑張ったのに、予想より取れなくて悔しいんだね。」
このように相手は自分のことを受け止めてもらい、真剣に自分のことを考えてくれるという印象を持つことになるので、この応答は良い印象となります。
また、話が建設的になる可能性が高いともいえると思います。
それに対して“react”はというと、相手の言動を聞いて、それに対して自分が思ったことを反射的に応答してしまうことをさします。反射的な応答と言えます。
先の例で言うと、
子:「テストの点あまりよくなかったよ。」
親:「勉強してなかったから当然だよね。」
このように相手の気持ちを配慮する前に口から出てしまうという反応なので、相手を傷つけしまうかもしれません。
また、口喧嘩などの言い争いにつながる可能性が高いと思います。
特に近しい関係であればあるほど反射的応答が出やすくなると思いますが、自分自身の応答が“反射的”なのか“確認的”なのか、少し立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
暦の上では春ですが、まだまだ朝晩寒い日が続きます。お体にはご自愛ください。
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