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月別アーカイブ  【 2019年03月 】 

<自信と自尊感情>

こんにちは。心理士の井上です。

先日、ある方から「自分のことがあまり好きではありません。自信を持つにはどうすればよいですか。」と質問されました。

自信という言葉は心理学ではとても大切な言葉として扱われます。

自信と似た言葉として、自尊感情という言葉もあります。自尊心とも言いますよね。


自信という言葉は、どちらかというと部分的に得意なことに使われることが多いように思います。例えば、「走ることには自信がある」「数学は自信がある」などです。

自尊感情という言葉は、部分的なことへの自信というよりは、もっと広く自分全体に対しての感情だと思います。

具体的な事柄に対する自信は、例えばその事柄を継続して学び続けるなどすると、時間はかかるかもしれませんが、自然に身についていくのではないでしょうか。

しかし、私が質問を受けた内容の“自信”は、そのような具体的な事柄に対する自信ではないように思いわれます。

どちらかというとより自分全体に対する感情である自尊感情を指していると思われます。。


自尊感情とは、自分という存在が基本的に価値のあるものなのだという感覚です。

健全な自尊感情のあり方とは、自分という存在を基本的に価値のある大切なものだと評価することで、自分のことも、他者のことも受け入れられるようになるということになります。

“基本的に”と書きましたが、ここには“他者と比較するなどの相対的なものではなく、もっと深いところで”という意味があります。


この自尊感情は、幼少期の養育者との関係などが影響するとことが知られています。

子どもを首尾一貫して無条件に(どんなことにおいても、成功や失敗などとは無関係に)育てられると健全な自尊感情が育つと言われています。

一方で、親が厳しかったり、何らかの条件を満たさないと受け入れなかったりすると、自尊感情の問題に悩むことになるかもしれません。

また、養育者との関係だけでなく、それまでの人間関係、パートナーとの関係などの影響もあると言われています。

つまり、自尊感情は幼少期の養育者との関係が大きく影響しますが、今現在の状況などでも変動するということになります。


変動する自尊心をどのようにすれば、より健全なものにできるのでしょうか。


とても難しいことではありますが、自分自身が自分の良い親になることができればよいと言えるかもしれません。

自分の良い親とはどういう意味でしょうか。

これは、自分自身をありのままに受け入れるということです。

得意なことや今まで成し遂げてきたことはもちろんですが、逆に苦手な面やできないこと、弱い自分やずるい自分などマイナスに捉えがちな姿も含めて、否定するのではなく受け入れることができれば、自分のことを大切にすることができるかもしれません。


自分のことを大切にし、自分を真楽することは、誰にとっても大切なことなのではないでしょうか。

少しずつ春の暖かさを感じられるようになりました。どうぞ、お体にはご自愛ください。
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【 2019/03/16 】 未分類 | TB(0) | CM(0)