こんにちは。心理士の井上です。
前回はそもそも怒りに対するマイナスなイメージを持たれている方が多いかもしれないというお話をさせていただきました。また、怒りにいくつかの種類があることもお話させていただきました。
今日はそもそも“怒り”とは何かを考えてみようと思います。
誰でも“怒り”を感じたことがあると思います。
これは突然湧き上がってくる感情だと思われがちですが、心理学では“怒り”は二次感情であると言われています。
つまり“怒り”の前に一次感情という別の感情が存在しているとなります。
では、一次感情とはどんな感情でしょうか。
例えば「わかってもらえない」ことからくる苛立ちや不安。
「助けてくれない」という恐怖や悲しさ。
「だいじにしてもらえない」という寂しさや悲しさ。
これらが一次感情であり、“怒り”の裏側にはこのような感情が隠れていることになります。
ずいぶん前ですが、学校ですぐにキレてしまい物を壊したり、人を傷つけたりしてしまう子と話す機会がありました。
その子と感情の整理(例えば、悲しいときはどんなとき?など)をしたところ、悲しいときと怒っているときに思い出す出来事が同じだったことがありました。
この子は怒りの背景に「僕のことをわかってくれなくて悲しい」という気持ちが隠れていたことがわかりました。
この子とはその後悲しい感情を一緒に話し合うことを続け、気持ちを整理することができるようになりました。
このように“怒り”の背景には何かしらの一次感情が隠れているんですね。
ただ、“怒り”という感情はとても強烈で衝動的でもあるため、その背景にある感情を探るのは難しいです。
そこで“怒り”の特性を知っていると、隠れている一次感情がわかるかもしれません。
その特性の一つに怒りの持続時間があります。一般的に怒りのピークは6秒と言われています。
そのため、この6秒間怒りを抑えることができれば、怒りに任せた衝動的な行動を押さえることが可能ということになります。
“怒り”を感じたらまず6秒耐えることが大切なことの一つであると言えそうです。
そうすると、“怒り”の背景にある一次感情が見えてくるかもしれません。
次回もまた、アンガーマネージメントについてお話させていただきます。
いよいよ冬らしくなってまいりました。どうかお体にはご自愛ください。
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