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レジリエンスとは?

こんにちは。心理士の井上です。

今日は精神的健康を考える上で、近年注目されている“レジリエンス”という言葉を紹介したいと思います。

 前回はストレスのお話をさせていただきましたが、同じようなストレスの下であっても、人によって立ち直れないような辛い気持ちになってしまう人と、それほど大きな影響を受けない人がいる‐つまり、受け取り方は人によって違うことに気づかれるかもしれません
この違いに関係するのが“レジリエンス”です。

レジリエンスもストレスと同じく工学や物理学の言葉で、「弾力」とか「跳ね返す力」という意味を持っています。
それが精神医学や心理学の領域でも使われるようになりました。精神医学や心理学で使われる“レジリエンス”とは、「精神的な回復力」・「精神的なしなやかさ」を意味しています。

一般的には「ストレスに対する抵抗力」「ストレスに負けない力」「落ち込んだ状態から立ち直る力」という意味でも使われています。
“レジリエンス”と言われると難しく聞こえます。しかし、個人差はありますが、誰でも多かれ少なかれ持っている力です。
例えば、幼いころ、お父さんやお母さんに叱られた経験は誰でもあると思いますが、叱られた後は少しずつ落ち着いて元の状態に戻ったはずです。
このもとの状態にもどる力が“レジリエンス”です。
現在の社会は“ストレス社会”とよく言われます。学齢期には学業成績や入学試験、成人期にも就職や職場でのストレスなど、私たちは生きていく中で多くのストレスにさらされています。しかし、その多くは社会全体の問題なので、すぐに取り除くことはできません。

そこで、社会を変えるのではなく、個々が“レジリエンス”を身に着けることで日常生活をより快適に過ごせるようにしようという発想が生まれたのです。

“レジリエンス”って、とても大切な力ですね。

次回はレジリエンスを育てる方法についてお話しさせていただきますね。

暑くなってきましたが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/05/30 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

ストレスはなくすべきもの?

こんにちは。心理士の井上です。
今日はストレスのお話をさせていただきます。
よく“ストレスはためてはいけない。”“ストレス解消が大切”という言葉を耳にしますが、
そもそもストレスとは何でしょう。

ストレスという言葉ですが、元は工学の世界の言葉だったそうです。
物体に力を加えて変形させようとすると、元に戻ろうとする力が生じます。例えばゴム
を引っ張れば、戻ろうとする力が生じます。これを応力(ストレス)と呼ぶそうです。
つまり、外部から力が加えられたときに生じる内部からの力をストレスと呼ぶわけです

これを人に置き換えて使われるようになったのが、私たちが普段使っているストレスに
なります。生理学者のセリエによると、私たちが使っているストレスとは、“不快な刺激に
よって生じる心身の反応”ということになります。

ストレスは、対人関係や仕事の負荷など、不快な刺激があれば生じるもので副腎皮質ホ
ルモンや自律神経系のバランス異常によって生じると考えられています。
もう少し詳しく述べると、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、自律神経
のうち、交感神経が優位になります。
コルチゾールは血糖を上げたり、血圧をあげたりするはたらきがあります。自律神経に
ついては、緊張に関係する交感神経が、リラックスする副交感神経よりも優位になります
。このとき脈や呼吸が早くなります。

不快な刺激(ストレッサー)を受けると、体がその不快な刺激と闘うための準備をして
くれているのです。例えば仕事で失敗できない時などにストレスが生じたことで、いつも
より脳に血液や糖分が届き、頭がしっかりはたらいて失敗しないですむかもしれません。
ストレスが生じることで高い集中力を発揮することもあるのです。
もちろん過度にストレスが生じてしまうと、常にコルチゾールが高い値となってしまい、
常に血圧が高く、血糖値も高くなります。これは高血圧や糖尿病の発症リスクとなりま
す。

また、過度のコルチゾールは脳の神経細胞を傷つけると指摘されています。
このようにストレスは必要な時に適度に生じていれば良いものと言えますが、過度に生じ
ることで私たちの心身に害を及ぼすものになってしまうのです。

ストレスを無くすのではなく、上手にストレスとつきあっていきたいものですね。
寒暖の差が大きい日が少なくありません。どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/05/02 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

感情を決めるのは…?

こんにちは。心理士の井上です。

前回・前々回と感情がどのように生まれるのかについての二つの理論をお話しさせてい

ただきました。

“泣くから悲しくなる”の抹消起源説・“悲しいから泣く”の中枢起源説を紹介させていただき

ました。

今日はこの二つに続く第3の説を紹介させていただきます。

それは、心理学者のシャクターという人が提唱した“情動2要因説”です。

この理論では、“喜び”や“悲しみ”などの人間の情動(感情)は、生理的反応とその反応を

どのように認知するかによって決まるとされています。

生理的反応というのは、“笑う”や“泣く”や“ドキドキ”のことです。その反応をどのように

認知するかは、例えば“泣く”という生理的反応を、怒っているから“泣いている”とか、悲し

いから“泣いている”と、どうしてその反応が起きているのかを捉えることを意味していま

す。

この説で説明できる有名なものに〈つり橋効果〉というものがあります。

つり橋を異性と一緒に渡った時とそうでない時では、つり橋を渡った時のほうがその異性

を魅力的な人だと思うという実験結果があります。これは、つり橋を渡るときの怖さから

くる“ドキドキ”を、一緒に渡っている異性への恋愛感情の“ドキドキ”と勘違いしてしまうと

考えると説明できます。

3回にわたって、3つの感情理論を紹介させていただきました。どれか一つが正しいとい

うものではなく、それぞれで説明可能なものとそうでないものがありそうですね。

暖かい日が続きますが、時々肌寒さもあります。どうぞお体にはご自愛ください。

【 2017/04/03 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

泣くから 悲しい②


<泣くから悲しい?悲しいから泣く?>


こんにちは。心理士の井上です。


前回、“泣くから悲しくなるのか、悲しいから泣くのか”というテーマを取り上げました。


その中で、「泣く」や「笑う」などの身体的な(表面上の)変化が、脳に影響を及ぼし、


「悲しい」や「うれしい」という感情を生起させるという考え方(抹消起源説)を紹介


させてもらいました。


しかし、一般的には「湧いてくる感情をもとにして、涙を流したり、笑顔になったり


する」と考えられているため、抹消起源説に対する批判も多いです。


そこで今日は、別の考え方を紹介させていただきたいと思います。その考え方は


“中枢起源説”と呼ばれます。


例えば、大切な人との別れという場面では、その悲哀感情がまずあって、その


後に『悲しみのあまり涙を流す』という流れを考えてみましょう。


ここでは、<悲しい出来事→悲哀感情→涙を流す>という順序と考えることが


できると思います。このように、感情を脳(中枢)で感じてから、涙を流すなどの


生理学的変化がもたらされるとするのが“中枢起源説”です。


この考え方“悲しいから泣く”は、日常生活にあてはめてみても、なんとなく


しっくりきますね。前回の作り笑いの例のように“抹消起源説”で説明できる


こともあれば、今回の“中枢起源説”のほうが説明しやすいこともあります。


どちらかが正しいということではなく、場合によって違うようです。


また次回、別の感情理論を紹介させていただきます。


少しずつ暖かくなってきましたが、急に寒くなる日もあります。どうぞお体


にはご自愛ください。


【 2017/03/03 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

泣くから悲しい 悲しいから泣く?

<泣くから悲しい?悲しいから泣く?>

こんにちは。心理士の井上です。

泣くから悲しくなるのか、悲しいから泣くのかと言われたら皆さんはどのように答えますか?

感覚的には、“泣くから悲しい”よりも、“悲しいから泣く”ほうがしっくりくるかもしれません。

では、心理学的にはどう考えられているのでしょうか。

そこで今日は、感情の理論を紹介させていただきます。

心理学における感情の理論は大きくは3つほどあります。その3つとは、“抹消起源説”・中枢起源説“・2要因説”です。今日は、そのうちの“抹消起源説”を紹介したいと思います。

“抹消起源説”は、それを最初に提唱した人の名前から“ジェームス・ランゲ説”とも呼ばれます。
抹消とは、末梢神経をさしていて、脳やせき髄などの中枢神経に対する言葉です。つまり、脳などの中心ではなく、身体の各部分を指す言葉と言えます。

“抹消起源説”では、「泣く」や「笑う」などの身体的な(表面上の)変化が、脳に影響を及ぼし、「悲しい」や「うれしい」という感情を生起させるという考え方です。

この考え方は“脳で生まれた感情をもとに生理的変化が生じる”という一般的な考え方(これを中枢起源説と言います)とは逆なために、批判の多い説でもあります。

しかし、近年の心理学では、例えば“作り笑い”をしていると、気分が良くなり、落ち着いてくるという研究結果が示されています。

私たちは多くの場合、楽しいから笑い、悲しいから泣きます。その一方で、笑うと楽しくなり、泣くと悲しくなることがありうるのです。

今日は“抹消起源説”に焦点を当てましたが、また次回その他の理論についても紹介させていただきます。


まだまだ寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/02/04 】 未分類 | TB(0) | CM(0)