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<感情の返報性~相手への感情は返ってくる~②>

こんにちは。心理士の井上です。

 前回は感情の返報性についてお話しさせていただきました。
好意の返報性もあるけれど、悪意の返報性もあることもご理解いただけたと思います。

特に嫌悪や憎悪などのマイナスな感情のほうが、強い返報性を持っているので、お互いを
嫌悪する感情が、増幅していってしまうこともあります。
いわゆる“犬猿の仲”のような関係になってしまうことがあるかもしれません。

そんな関係の人と一緒に過ごしたり、仕事をしたりすると、何の理由もなく喧嘩になった
り、嫌な気分になったりすることが頻繁に起こるかもしれません。
相手に対する嫌悪感がとても強くなってしまう状態です。
こんなときはどうしたらよいでしょうか。

いろいろな対処法・考え方があると思いますが、今回は心理学者アドラーの考えを紹介し
たいと思います。

アドラーは、人間関係について

1 「嫌いな人は、自分の心が作り出しているものである。」と述べています。
言い換えると、相手を苦手だと思う理由があるはずで、それを客観的に分析してみよ
うということです。

苦手な相手をイライラしながら見るより、客観的に見ることでどう対応したらよいか
が見えてくるかもしれません。

2 自分が嫌われることに関しては自分の問題ではなく、相手の問題なので考えなくてよ
い。とも述べています。
嫌な感情が強くなるとき、人は自分のコントロールできる範囲までなんとかしようと
思いがちです。

例えば、相手が悪口を言ってくるのは、その人が“悪口を言ってしまう性格”という相手
の課題であって、それをこちらがコントロールすることはできないと捉えるというこ
とです。そう考えると、〈相手の問題だから気にしないようにしよう〉などとこちら
の気持ちをコントロールできるかもしれません。

これをアドラーは“課題の分離”と言っています。
特に人間関係でお悩みのときは考え方の一つとして試してみてはいかがでしょうか。


急に冷えてまいりました。体調を整えにくいですが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/11/18 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<感情の返報性~相手への感情は返ってくる~>


こんにちは。心理士の井上です。

 今日は相手からの感情・相手に対する感情に注目したいと思います。
人は自分に好意を持っている人に、どんな感情を抱くでしょうか?
多くの人は、同じように相手に好意を抱くのではないでしょうか。
好きと言われて嫌な人はいませんよね

例えば友達から、
『あの人はあなたのことが好きらしいですよ』などと言われたら、
今までまったく興味がなかった人でも気になってきます。
しかもそれは好意的な感情です。

このように人は、自分に好意を持つ人に対して、好意を抱く傾向があります。
これを“感情(好意)の返報性”といいます。
人との付き合いの中で、好意の返報性はお互いのコミュニケーションのためにも、
とても大切なものだと思います。
しかし、この“返報性”という傾向は、好意以外の感情にも当てはまります。

例えば、あからさまに自分を嫌っている人に対して、好意を感じたりはしないはずです。
つまり嫌悪感や憎悪感にも返報性があるのです。
しかも、嫌悪や憎悪というマイナスの感情のほうが、強い返報性を持っているので、
お互いを嫌悪する感情が、増幅していってしまうこともあります。

“犬猿の仲”とはまさにそれにあたります。
そうなってしまうと、正常な人間関係が成り立たなくなっていまい、何の理由もなく喧嘩
になったり、嫌な気分になったりすることが頻繁に起こってしまうと思います。

こうなってしまったら、少しお付き合いの仕方を考えなければいけませんね。
次回は、そこをお話ししたいと思います。

急な気候の変化があり、体調を整えにくいですが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/10/21 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<記憶の心理学>

こんにちは。心理士の井上です。

 ものごとを“記憶する”ことって、とても大切ですよね。でも、私自身年々もの覚えが悪くなっていることを実感しています。そこで今日は、記憶のメカニズムと記憶に残すにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。

 認知心理学では、人間の記憶には保持される時間から、感覚記憶・短期記憶・長期記憶の3つに分類されるとされています。

 感覚記憶とは、意味を理解せずに、ほんの1秒くらいの間脳にとどめておく記憶です。例えば、歩いている時の景色などは目に入っていますが、気に留めなければすぐに消えてしまいます。

 短期記憶とは、数十秒覚えておくことができるもので、感覚記憶より記憶している時間が長いです。例えば初めてかける電話番号などは、覚えてから電話をかけるまでは覚えていられますよね。ただ、その後はすぐに忘れてしまいます。これを短期記憶と言います。

最後に長期記憶とは、記憶している時間が非常に長い記憶です。記憶時間は非常に長くて何十年も覚えている場合もあります。さらに長期記憶は、その性質から意味記憶とエピソード記憶に分けられます。

意味記憶は、生まれてから学習してきたことの記憶です。例えば、“英語で本はbook”や“掛け算のひっ算の仕方”などのことを言います。意味記憶は覚えるために労力が必要で、しばらく使わないと忘れてしまうことも多いです。また、意味記憶は10歳をピークに加齢とともに弱くなると言われています。

エピソード記憶は、自分の体験や経験の記憶です。例えば、“海外旅行に行ったこと”や“野球の試合を見に行ったこと”などのことを言います。エピソード記憶は頑張って覚えようとしなくても覚えやすく、忘れにくいという特徴があります。また、エピソード記憶は意味記憶ほど加齢の影響は受けないと言われています。

「年を取ると記憶力が悪くなる。」と言いますが、正確には年齢とともに弱くなるのは意味記憶ということですね。

そう考えると、学校で学んできたいろいろな勉強は意味記憶で、大人になってから学生時代と同じように学習しようとしても効率的ではないということになります。つまり、うまくエピソード記憶を使いながら学習していく必要があるということになります。

 具体的にエピソード記憶を使うには、①体験を通して学習する、②学習したことを使う、③学習したことを人に話す、と良いと言われています。

 例えば、初めてするゲームのルールを覚えるとき、説明書を読むだけではなく、①実際にやってみる、②そのゲームをいろいろな人とやってみる、③ゲームの内容を友達に話す、と覚えやすくなるということになります。

 何かを覚えなければいけないときには参考にしてみてくださいね。

日中はまだまだ暑さが残りますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/09/20 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<気持ちを言葉にすることの大切さ>


こんにちは。心理士の井上です。
今日は気持ちを言葉にすることの大切さについてお話ししようと思います。
私たちは日常生活の中でいろいろな感情を持ちます。喜び・悲しみ・楽しさ・怒り・悔
しさなど様々な感情が湧いてきますよね。


ただ、忙しいときや、考える気力が弱くなっているときは、自分の体の中で湧き上がる
感情をそのままにしてしまうことがあると思います。


また、特に悲しみや怒りなどのいわゆるマイナスなイメージの感情(以下マイナス感情
)については「こんなこと思ってはいけない」と、感じることをやめてしまうこともあるかもしれません。
なんとなく好ましくないと思う感情はできたら避けたいものです。
楽しい感情や喜びについては、敢えて言葉にしなくても満足できているので問題ありま
せんが、マイナス感情を言葉にしない、感じようとしないことは問題となることがあります。


表現されないマイナス感情は蓄積して、ふとしたときに爆発的に出てしまうこともある
かもしれません。つまり、感情のコントロールができなくなることがあります。
感情をコントロールするには、マイナス感情が生じたときにその感情をきちんと感じる
ことが必要です。そして“感情を感じる”ためには、その感情を言葉にすることが必要です。


「今とても悲しい」「とても悔しい」「とてもイライラする」というように、今あるマ
イナス感情に名前を付けるのです。このように感情を言葉にすることを“感情の社会化”といいます。
そうすることで、その時の感情をきちんと感じることができるようになり、感情の蓄積が少なくなります。


“感情の社会化”という言葉は、子育てされている保護者の方向けに出てくることが多いですが、子ども
だけでなく大人にとっても感情をコントロールするために大切なことです。


マイナス感情が生じているかもしれないと思われるときには、ぜひ試してみてくださいね。
暑い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/08/18 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

レジリエンスを育てる③

こんにちは。心理士の井上です。
“レジリエンス”とは、「ストレスに対する抵抗力」「ストレスに負けない力」「落ち込んだ状態から立ち直る力」でした。

 この“レジリエンス”を育てることは、“逆境に負けない心”“折れない心”を育てることにもなります。

 レジリエンスを育てるには、自分の思考をできるだけ柔軟で正確なものにしていく必要があります。そのためにまずは自分の“考え方のクセ”を知ることが必要です。

 思考のクセを知るには“ABC分析”ということをしてみるとよいです。これは、ある出来事(A)を、考えて解釈(B)し、その結果として感情や行動(C)が起こる、という一連の流れを書き出してみるというものです。

 同じ出来事(A)であっても、人によって解釈(B)や感情・行動(C)は違うこともあります。
 例えば、「友達にメールを送ったが返事が来ない」(A)の場合、→「嫌われている」と解釈(B)→「悲しくなって泣けてくる」という感情や行動(C)となる人がいるかもしれません。
 しかし、「友達にメールを送ったが返事が来ない」(A)→「忙しいに違いない」と解釈(B)→「もう少し待ってみよう」という行動(C)となる人もいるかもしれません。

 つまり人によって“考え方のクセ”があることがわかりますね。自分のこのクセを知ることで、落ち込んでしまうパターンを特定し、(B)の解釈する段階で、自動的に考えてしまう自分の解釈は本当に正しいのだろうか、別の考え方なら別の解釈ができるのではないだろうか、と考え直してみる。大切なのは、ある出来事に対する解釈は1つだけではないことと、その解釈には正解や不正解があるわけではないことです。様々な解釈を考えてみることで、より安心できる感情や行動に変わるかもしれません。

 これは認知再構成法とも呼ばれるものですが、日ごろの生活の中で、自動的に起きてしまう思考に意識を向けて、新たな思考はないかと考えることそのものがレジリエントな思考かもしれませんね。

暑い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/07/29 】 未分類 | TB(0) | CM(0)