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<自動思考②>

こんにちは。心理士の井上です。

前回〈自動思考〉についてお話しさせていただきました。

人はそれぞれ考え方にクセを持っていて、そのクセによっては不安になったり、鬱状態になったりすることがあるということでしたね。

今日はその考え方のクセ(思考パターン)の1つについてお話ししたいと思います。


考え方のクセの1つに“全か無か的思考”(2分割思考)というものがあります。

良いか悪いか、完全か不完全か、〇か×か…など、二者択一的な捉え方です。


例えば、仕事の同僚や友人と話をしている場面を思い浮かべてください。そのときに相手の方が少し不機嫌だったとします。そうすると、「自分のことが嫌いなんだ」と思ってしまう人がいるかもしれません。

他にも例えば、テストを受けて80点を取ったとしましょう。100点でなければだめだという思考が強いと、せっかく80点取れているのに、0点を取った気分になってしまう人がいるかもしれません。
 
 
二つの例で示した思考パターンが、“全か無か的思考”です。

全か無か的思考の下では完璧が求められます。言いかえれば、完璧でないことはすべて失敗ということになってしまいます。
 
結果が完璧である場合は問題ないですが、現実的にすべてのことが完璧にいくことはほとんどないです。

そして、完璧でなかった自分はダメな人間だと思ったり、今まで努力してきたことはすべて無駄だったと思ったりするかもしれません。

こう考えると、とても辛い考え方のクセに思えますね。

しかし、すべてがマイナスではありません。

この思考が強いと、学業や仕事などで質の高い結果を出すことが多いかもしれません。その結果、周囲の信頼を得て、自信につながることも多いと思います。

ただ、全か無か的思考が自分を追い詰めているときがあるかもしれません。そんなときは、それに気づいてゆるめるようにコントールできればよいと思います。

まずは、自分の思考に気づくことが大切です。

私たちは、日常生活の中ではまさに“自動”的に考えてしまうので、意識しないと考え方が偏っていると気づけません。

ストレスを感じたときに「いつも~である」「絶対に~である」「決して~ない」と考えていないかチェックしてみましょう。

そして、全か無か思考に気づいたら、その考え方を少し緩めるために、“一方(or)ではなく両面を認める(and)”考え方をしてみましょう。

「成功か失敗か」(or)ではなくて、「成功もあれば、失敗もある」(and)と考えてみるのです。

「できるかできないか」(or)ではなく「できるときも、できないときもある。」(and)

こう考えていくと、全か無かと断定的にならず、ゆったりと考えられると思います。



まだまだ寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2018/02/10 】 未分類 | TB(0) | CM(2)

〈考え方のクセがもたらす鬱や不安とその改善策〉

こんにちは。心理士の井上です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。


今日からしばらくは、考え方のクセがもたらす鬱や不安とその改善策について考えてみたいと思います。

私たちは、しばしば何かの出来事の後に鬱や不安を経験することがあります。

そのとき私たちは、その出来事そのものが私たちの心に影響を与えていると考えることが多いと思います。

しかし、実際私たちの心に働きかけているのは、出来事そのものではなく、私たちがその出来事をどのように受け止めているかという、思考パターンによって引き起こされています。


例えば、仕事が思うようにうまくいかなかったら、落ち込んだり、悲しくなったりすると思います。

これを普通に考えると、“仕事がうまくいかなかった”という出来事によって、“落ち込みや悲しみ”などの感情が生まれたとなります。

しかし、実際には“仕事がうまくいかなかった”=“落ち込みや悲しみ”ではありません。

その間には、例えば、「あんなに準備したのに、どんなに頑張ってもできない」と思ったかもしれません。

「どうせ私には能力がないんだ」と思ったかもしれません。

その結果、“落胆する”という感情とつながっていることになります。

また、「どうしよう、上司に叱られる!」などと思うかもしれません。

この場合、“不安”という感情とつながっていることになります。

これらのようなある出来事に対して自動的に生まれてくる思考は、“自動思考”と呼ばれます。

つまり、 〈出来事〉 → 〈思考〉 → 〈感情〉 のように、出来事と感情の間には“自動思考”が存在します。

また、この“自動思考”には個人差があり、その違いによって同じ出来事であっても、そのときもつ感情は人によってことなります。

認知行動療法では、この“自動思考”に注目します。


先の例においても、上記のように落ち込んだり、悲しくなったり、不安になる人もいますが、「今回は失敗したけど、今まではうまくいっていたから」と考えて、それほお落ち込まない人もいるかもしれません。

とくに強い不安や鬱状態をたくさん体験してしまう場合、そこには“不適応的な自動思考”(偏った考え方のクセ)があるかもしれません。

それを“より現実的で、建設的な思考”に置き換えることで、落ち込みすぎないでよかったり、呑み込まれてしまうような不安を回避できたりするかもしれません。

そのためには、まず自分自身の自動思考のパターンを知っておいて、自覚することで極端な感情を緩和できると思われます。

次回は、“偏った考え方のクセ”の具体例を交えて紹介させていただきます。


毎日寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2018/01/13 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<落ち込むことは本当にいけないこと?>


こんにちは。心理士の井上です。

今回は“落ち込むこと”について考えてみたいと思います。

“落ち込む”と聞くと、それ自体よくないものとして語られることが多いです。

特に最近は“うつ病”という言葉が知られるようになり、“落ち込むこと”と近いイメージで定着しているように思われます。


しかし、“落ち込むこと”は、本当にネガティブなことなのでしょうか。

確かに“落ち込むこと”はつらいことでもあり、できる限り体験しないほうがいいことかもしれません。

物事がなんの問題もなく、順調に進んでいるとき、“落ち込む”必要はありませんよね。


しかし、何か大きな失敗をしたときや、衝撃的な出来事に出会ってしまったときはどうでしょう。

私たちは当然“落ち込む”でしょう。

この“落ち込むこと”は予想外のネガティブな現実を受け止めるためにはどうしても起きてしまうことです。

また、“落ち込むこと”によって、私たちは“困り”を感じて、問題にどう対処したらよいか考えることになります。


“落ち込む”ような失敗や出来事があるのに“気にしないで前向きに”なることは、実は現実逃避になることもあるかもしれません。


このように考えてみると、私たちには必要な“落ち込み”が存在し、だからこそ解決策を探して、少しでも改善できるような方向に向かうことができたり、周りの人に手助けを求めたりすることができると言えるかもしれません。


先にも述べましたが、“落ち込むこと”とうつ病は近いイメージで語られることが多いと思います。

私たちは失敗や起きた現実への心配から“落ち込み”、気分がわかない、力が湧かないなどの状態になるかもしれません。これを“抑うつ状態”といいます。


しかし、これは“うつ病”とは異なります。

“うつ病”は現実的な問題がきっかけではありますが、その問題が解決されても継続している状態をさします。

このことから“落ち込むこと”と“うつ病”は同じものではないことがみえてくると思います。


“落ち込むこと”は、“いけないことではないこと”と頭の中に置いておくことで、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。


毎日寒い日が続きますが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/12/17 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<感情の返報性~相手への感情は返ってくる~②>

こんにちは。心理士の井上です。

 前回は感情の返報性についてお話しさせていただきました。
好意の返報性もあるけれど、悪意の返報性もあることもご理解いただけたと思います。

特に嫌悪や憎悪などのマイナスな感情のほうが、強い返報性を持っているので、お互いを
嫌悪する感情が、増幅していってしまうこともあります。
いわゆる“犬猿の仲”のような関係になってしまうことがあるかもしれません。

そんな関係の人と一緒に過ごしたり、仕事をしたりすると、何の理由もなく喧嘩になった
り、嫌な気分になったりすることが頻繁に起こるかもしれません。
相手に対する嫌悪感がとても強くなってしまう状態です。
こんなときはどうしたらよいでしょうか。

いろいろな対処法・考え方があると思いますが、今回は心理学者アドラーの考えを紹介し
たいと思います。

アドラーは、人間関係について

1 「嫌いな人は、自分の心が作り出しているものである。」と述べています。
言い換えると、相手を苦手だと思う理由があるはずで、それを客観的に分析してみよ
うということです。

苦手な相手をイライラしながら見るより、客観的に見ることでどう対応したらよいか
が見えてくるかもしれません。

2 自分が嫌われることに関しては自分の問題ではなく、相手の問題なので考えなくてよ
い。とも述べています。
嫌な感情が強くなるとき、人は自分のコントロールできる範囲までなんとかしようと
思いがちです。

例えば、相手が悪口を言ってくるのは、その人が“悪口を言ってしまう性格”という相手
の課題であって、それをこちらがコントロールすることはできないと捉えるというこ
とです。そう考えると、〈相手の問題だから気にしないようにしよう〉などとこちら
の気持ちをコントロールできるかもしれません。

これをアドラーは“課題の分離”と言っています。
特に人間関係でお悩みのときは考え方の一つとして試してみてはいかがでしょうか。


急に冷えてまいりました。体調を整えにくいですが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/11/18 】 未分類 | TB(0) | CM(0)

<感情の返報性~相手への感情は返ってくる~>


こんにちは。心理士の井上です。

 今日は相手からの感情・相手に対する感情に注目したいと思います。
人は自分に好意を持っている人に、どんな感情を抱くでしょうか?
多くの人は、同じように相手に好意を抱くのではないでしょうか。
好きと言われて嫌な人はいませんよね

例えば友達から、
『あの人はあなたのことが好きらしいですよ』などと言われたら、
今までまったく興味がなかった人でも気になってきます。
しかもそれは好意的な感情です。

このように人は、自分に好意を持つ人に対して、好意を抱く傾向があります。
これを“感情(好意)の返報性”といいます。
人との付き合いの中で、好意の返報性はお互いのコミュニケーションのためにも、
とても大切なものだと思います。
しかし、この“返報性”という傾向は、好意以外の感情にも当てはまります。

例えば、あからさまに自分を嫌っている人に対して、好意を感じたりはしないはずです。
つまり嫌悪感や憎悪感にも返報性があるのです。
しかも、嫌悪や憎悪というマイナスの感情のほうが、強い返報性を持っているので、
お互いを嫌悪する感情が、増幅していってしまうこともあります。

“犬猿の仲”とはまさにそれにあたります。
そうなってしまうと、正常な人間関係が成り立たなくなっていまい、何の理由もなく喧嘩
になったり、嫌な気分になったりすることが頻繁に起こってしまうと思います。

こうなってしまったら、少しお付き合いの仕方を考えなければいけませんね。
次回は、そこをお話ししたいと思います。

急な気候の変化があり、体調を整えにくいですが、どうぞお体にはご自愛ください。
【 2017/10/21 】 未分類 | TB(0) | CM(0)